昭和四十年の開業にあたり、創業者 湯木 貞一は「お玄猪弁当」への思いを次のように語っています。
「今は昔
平安の世には宮中でその後は武家で十月の中の玄の日に玄猪の祝とて餅をつき黄金色豊かな銀杏の葉を飾つたつつみものとして近親知友に配る慣はしが有りました。
町屋でも又これに倣い此の日炬燵開きをして夫婦の情のこまやかまるを祝ふ慣習が長い間続きました。
吉兆の玄猪料理はこの故事によつて優美典雅なロイヤルホテルの気分を盛り上げた生粋の日本料理、げんの良い吉兆料理と思召し戴き度う存じます。
亦いささか私事になりますが玄猪が吉兆由縁りの神戸の現長にそのまま通じますのも古へを忘れぬ心をこめた料理で御座います。
吉 兆
主 人」
吉兆各店で松花堂弁当をだしていますが、お玄猪弁当と名乗っているのはリーガロイヤルホテル店のみとなります。
お玄猪弁当の由来は、ちょうどロイヤルホテルに出店しました時が「亥の日」であったこと、又左記にも書いてありますが、湯木 貞一の生家である現長にも名をかけていて、「お玄猪弁当」の名は開業当時の思いを込めた名前であることがわかります。




