
昭和5年、創業者湯木貞一が新町に開いた料理屋が吉兆の創業でした。祖父貞一は当時を振り返り述懐しています。お客様が「美味しかったよ」と帰られる後を追いかけて、「本当においしかったですか」と訪ねたい衝動に何度も駆られた、と。妥協を許さない貞一の料理への姿勢は、私たちの今の姿でもあります。
「一期一会」とは、千利休の茶道の精神を象徴している言葉ですが、その日来られたお客様とは、もうその日しかお会いすることはできません。全霊を捧げ、心を尽くしておもてなしをしたいという想いが、お客様の嗜好に合わせて、ご提供する料理もしつらえも異なるという「One to Oneのおもてなし」になって現れています。これも貞一が貫いた姿勢です。
私たちはそうした貞一の開いた歴史と伝統を継承していきたいと考えています。


